和歌山ミュージアムコレクション WAKAYAMA MUSEUMS COLLECTION
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綿ネル織工図 めんねるしょっこうず

南陽

収蔵品情報

年代 近代
材質・技法 絹本著色
収蔵館 和歌山県立博物館
解説  本品は、創始期の綿ネル生産の工程を描いた風俗画で、画面右の方には、原料となる綿糸の精製、染色、機織の様子が描かれる。また画面中央奥には、納入された綿糸を秤で計量している様子がみられる。画面中央手前には、織込ネル生産で最も特徴的な起毛の作業が描かれ、針を並べて櫛状の板にはさんだ「エギ」という起毛用の道具を用いて、広げた布の表面を起毛させている様子が確認できる。画面左の方は、帳簿を付ける番頭や商談の様子、そして反物を馬に載せたり、木箱に封入したりする出荷の風景である。人びとの服装・髪型については、女性は日本髪に着物姿であるのに対して、男性は髷を落として大半が着物姿であるものの、一部洋装がみられるという明治時代前期の状況である。落款に明治31年の年紀がみられるが、おそらく明治時代初頭の綿ネル創始期の様子を描いたものと考えられる。非常に生き生きと作業の様子を描写しているが、款記の「南陽」なる画人については明らかではない。和歌山市七番丁に置かれていた和歌山織物工業組合(昭和4年設立、昭和19年に戦時統制令により和歌山県織物統制組合へ移行)の専務理事をつとめた人の家に伝来した資料。

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