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獅子・狛犬 しし・こまいぬ
収蔵品情報
年代 | 安土桃山 |
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材質・技法 | 木造 |
収蔵館 | 和歌山県立博物館 |
解説 | 木造で彩色は施されず、口・鼻周りなど植毛の痕跡も見られない。像高約120㎝をはかる大型の獅子・狛犬一対で(狛犬の角部分は後補か)、しかも樟と思われる一材で造られており非常に珍しい。本来、獅子・狛犬は左右対称を基本に部分的に対比を意識して造られるのが基本であるが、本像は獅子・狛犬とも姿勢・たてがみ・眼・耳など、ほぼ同じ造形となっている。そして狛犬は本来閉口し吽形となるところを、本像では獅子と同様、大きく歯列・牙・舌を見せるほど開口して蹲踞した形で表されているのは大きな特徴である。全体的にスマートな姿で、前肢を踏ん張って伸ばし、また胸を張るように背筋も伸ばし、頭を横に向けずまっすぐ前を見る体勢で表現されているのも特徴的である。いわゆる「奈良様」の影響を受けた作風となっている。これだけの大きさの獅子・狛犬であるため、しかるべき規模の寺社で祀られていたものと見られるが、伝来等は明らかにならない。胸を張り開口し頸を伸ばして遠吠えする姿、口周りのたてがみの巻様など、東大寺南大門の宋風石獅子に通じるところもあり、寺院などの仁王門(仁王像)とセットで造られ祀られた可能性も考えておきたい。 |